卵子の老化や高齢出産のリスクが話題になっていますが、子どもを作ることは女性だけではなく男女で共に作るにも関わらず、男性の視点で語られることが少なく、男性の意識も低いのが現状です。

 

政府が検討していた女性手帳に多くの批判が浴びせられたように、子どもを産む産まない、子どもの数、出産の時期や間隔は、少子化対策や国によって定められるものではなく、すべてのカップルと個人が、自由にかつ責任をもって決定でき、そのための情報と手段を得ることができる権利があります(性と生殖に関する健康/権利 Sexual and Reproductive Health and Reproductive Rights(SRHR))

 

リプロダクティブ・ライツは永きにわたって性と生殖における基本的人権としての「女性の自己決定権」とされてきました。女性には妊娠・出産をコントロールできる権利があるということです。一方、男性は単に精子の提供者としての存在ではありません。今や男性の育児が義務(育児がやるべきこと)ではなく権利(育児を楽しむこと)であるのと同様に、またリプロダクティブ・ライツがすべてのカップルと個人を対象としているとおり、男性にも「産ませる性」としての権利と自由があります。男性も子どもが欲しいと主張してもいいですし、子どもを作ることに関して積極的にポジティブに取り組んでもいいのです。

 

父親を支援するファザーリング・ジャパンでは、SRHRに関して女性だけではなく男性も当事者として主体的にコミットし、家族計画や夫婦関係、不妊、セクシャリティー、子どもへの性教育など性と生の問題を男女で考えていく社会を目指して活動して行きます。

イクメンが流行り、子どもを育てることに積極的に関わりたい男性は増えました。しかしまだ妊娠や不妊など子どもを作ることに関しては女性が主語のままです。卵子の老化や高齢出産のリスクが話題になっていますが、子どもを作ることは女性だけではなく男女で共に作るにも関わらず、男性の視点で語られることが少なく、男性の意識も低いのが現状です。

 

政府が検討していた女性手帳に多くの批判が浴びせられたように、子どもを産む産まない、子どもの数、出産の時期や間隔は、少子化対策や国によって定められるものではなく、すべてのカップルと個人が、自由にかつ責任をもって決定でき、そのための情報と手段を得ることができる権利があります(性と生殖に関する健康/権利 Sexual and Reproductive Health and Reproductive Rights(SRHR))

 

リプロダクティブ・ライツは永きにわたって性と生殖における基本的人権としての「女性の自己決定権」とされてきました。女性には妊娠・出産をコントロールできる権利があるということです。一方、男性は単に精子の提供者としての存在ではありません。今や男性の育児が義務(育児がやるべきこと)ではなく権利(育児を楽しむこと)であるのと同様に、またリプロダクティブ・ライツがすべてのカップルと個人を対象としているとおり、男性にも「産ませる性」としての権利と自由があります。男性も子どもが欲しいと主張してもいいですし、子どもを作ることに関して積極的にポジティブに取り組んでもいいのです。

 

父親を支援するファザーリング・ジャパンでは、SRHRに関して女性だけではなく男性も当事者として主体的にコミットし、家族計画や夫婦関係、不妊、セクシャリティー、子どもへの性教育など性と生の問題を男女で考えていく社会を目指して活動して行きます。

 

 

妊活にファザーリング

今や6組に1組が不妊の検査や治療の経験があり、不妊治療中の22%は二人目以降不妊です。夫の家事・育児負担が妻の出産意欲につながり、第2子以降の出生割合が高まることは多くの先行研究で明らかとなっており、ファザーリングとワーク・ライフ・バランスの浸透が夫婦で妊活に取り組む上で大きなポイントとなります。

 

子どもを作るにはパートナーシップから

妊活、不妊治療にて子どもを作りたい、子どもができない、と悩む前に、カップルの心と体の関係が良好でないと始まりません。男女の性と生の違いを知り、男女の心と体のコミュニケーション、パートナーシップを考えていきます。

 

男性不妊の理解、啓発

不妊の原因の半数は男性に問題があります。卵子の老化と同様に精子も老化します。年齢とともに男性ホルモンの低下、性欲・精力の衰えは誰にでも訪れますが、多くの男性は自分の体についてほとんど知りません。男性も自身のことを学び、産ませる性として当事者意識と主体性を持てるように啓発していきます。

 

「父親になることを楽しもう」 男性妊活はポジティブに

男性不妊にはフィジカルの問題だけではなく、セックスレス、ED(勃起不全)や射精障害(中折れなど)の性機能障害(性行為障害)といったメンタルや夫婦関係の問題もかなり起因します。妊活期間中の義務的な性交やムードのない性交の繰り返し、マンネリ化が男性の性欲減衰や自信喪失に繋がります。プレッシャーやストレスが男性の妊活への意欲を削ぎ、夫婦間の溝を生むケースも多いです。FJの目指す「父親であることを楽しもう」と同様に「父親になることを楽しもう」をスローガンに、男性の妊活にポジティブに取り組みます。

 

二人目不妊(続発性不妊)は父親がポイント

前述のように二人目不妊に悩むカップルも多く、約3割が希望する人数を産めていません。阻害要因として母親の子育て不安感や負担感が挙げられ、夫婦の希望子ども数が夫のほうが少ないと実現確率が半減します。男性が子作り・子育てに前向きに取り組む姿勢が大切です。

 

セクシャリティーのタブーを打破

性と生殖は繋がっているにも関わらず、卵子の老化や高齢出産といった生殖の問題が主にフォーカスされがちです。女性は性行為と排卵は直接的な関係はありませんが、男性は性と生殖が女性よりも密接です。男性の性行為(性交もマスターベーションも)も生殖も、勃起して射精しなければなりません。男性にとって性的快楽を得るためには生殖能力が必要ですし、逆もまた然りで、生殖のためには性的興奮、性的充足が必要です。セクシャリティをタブー視せず、性と生について真剣に考えます。

 

夫婦関係とセックスレス

男性の草食化が話題になって久しいですが、出生率低下の大きな原因のひとつはセックス頻度の減少です。セックスレスの夫婦は増加傾向にあり40%を超え、原因の約20%は産後セックスレスです。子どもができると父と母の立場になりがちですが、夫婦の男と女の関係も大切です。

 

子どもへの性教育

子どもたちの周りには性の情報が氾濫しており、早期成熟、性の低年齢化が進んでいます。児童を対象とした性犯罪や性的虐待も問題となっています。学校での性教育は避妊や感染症の予防が主です(妊娠可能性について平成26年度の高2生から開始予定)。異性との接し方、性の尊重、安全な性交について教えるのは親の役割です。子どもは親のパートナーシップのモデルを見て男女の関係を学びます。

望まない妊娠を防ぐと同時に、子どもを産むことに希望を持てて、パパ・ママからも周りからも望まれて生まれてくる子どもを増やしたいです。

 

家族の性と生を考えよう

男性の役割の一つは『家族を守ること』だと考える人も多いでしょう。男性の甲斐性はお金を稼ぐことだけではありませんし、稼ぎが保証されている時代でもありません。大黒柱としての父親は経済的支柱よりも精神的支柱です。男性として女性の心と体を守ること、父親として家族を守ること、家族の性と生について一緒に考えていきませんか。

リプロダクティブ・ヘルス/ライツとは『性と生殖に関する健康・権利』と訳されます。1994年にエジプトのカイロで開かれた国際人口開発会議(ICPD)にて提唱された概念です。

 

国際人口・開発会議とは(厚生白書平成7年版より)

 

リプロダクティブ・ヘルスは、人間の生殖システムおよびその機能と活動過程のすべての側面において、単に疾病、障害がないというばかりでなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあることを指します。したがって、リプロダクティブ・ヘルスは、人々が安全で満ち足りた性生活を営むことができ、生殖能力を持ち、子どもを持つか持たないか、いつ持つか、何人持つかを決める自由をもつことを意味します。

 

リプロダクティブ・ライツとは、国内法・国際法および国連での合意に基づいた人権の一つで、すべてのカップルと個人が、自分たちの子どもの数、出産間隔、出産する時期を自由にかつ責任をもって決定でき、そのための情報と手段を得ることができるという基本的権利、ならびに最高水準の性に関する健康およびリプロダクティブヘルスを享受する権利です。

 

翌1995年に北京で開催された第4回世界女性会議(北京会議)で、リプロダクティブ・ヘルス/ライツがすべてのカップルと個人が有する人権の一部であると採択文章に明記されました。つまり、妊娠、出産は女性の問題だけではなく、性と生殖に関する男女の平等な関係、同意、共同の責任が広く認識され、男性の性に関する役割と責任が強調されることとなりました。

 

現在ではreproduction(生殖)のみならずsexual(性)の健康と権利にも力点が集まり、両方を合わせて"sexual and reproductive health and rights"(性と生殖に関する健康と権利)としばしば表記され、SRHRの略語が用いられます。セクシュアルヘルス/ライツはリプロダクティブヘルス/ライツに含まれるとして省略される場合もあります。

 

男性にとってのリプロダクティブ・ヘルス/ライツとは

リプロダクティブ・ライツは永きにわたって性と生殖における基本的人権としての「女性の自己決定権」とされてきました。女性には妊娠・出産をコントロールできる権利があるということです。一方、男性は単に精子の提供者としての存在ではありません。今やイクメンが当たり前となり市民権を得たように、男性の育児が義務(育児がやるべきこと)ではなく権利(育児を楽しむこと)であるのと同様に、またリプロダクティブ・ライツがすべてのカップルと個人を対象としているとおり、男性にも「産ませる性」としての権利と自由があります。男性も子どもが欲しいと主張してもいいですし、子どもを作ることに関して積極的にポジティブに取り組んでもいいのです。

 

子どもを持つ自由と同時に男性には「女性の権利を守る義務」と「子どもの権利を守る義務」も課せられます。男性の甲斐性とはお金を稼ぐことだけではありません。高度成長期は父親の稼ぎで家庭は生計を立てられましたが、長引く景気の低迷する現在では長時間労働をしても家計は逼迫しています。金銭的物質的な豊かさでは幸せに成れないことはバブル景気崩壊後の日本を振り返れば明らかです。今、父親に求められるのは家族の心と体の豊かさを満たすことです。

 

男性が女性と子どもを守る義務を果たすためには、啓発とそれなりの資源が必要です。ワークライフバランスの推進、経済的・社会的・政治的サポート体制の充実も必要です。

 

【リプロダクティブ・ヘルス/ライツ】

性と生殖に関する健康・権利と訳される。リプロダクティブ・ヘルスとは、人間の生殖システムおよびその機能と活動過程のすべての側面において、単に疾病、障害がないというばかりでなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあることを指す。したがって、リプロダクティブ・ヘルスは、人々が安全で満ち足りた性生活を営むことができ、生殖能力を持ち、子どもを持つか持たないか、いつ持つか、何人持つかを決める自由をもつことを意味する。1994年、カイロ国際人口・開発会議で採択された文章に基づいている。

 

生殖年齢にある男女のみならず、思春期以後、生涯にわたる性と生殖に関する健康を意味し、子どもを持たないライフスタイルを選択する人々を含めた、すべての個人に保障されるべき健康概念である。具体的には、思春期保健、生殖年齢にあるカップルを対象とする家族計画と母子保健、人工妊娠中絶、妊産婦の健康、HIV/エイズを含む性感染症、不妊、ジェンダーに基づく暴力等を含む。

 

リプロダクティブ・ライツとは、性に関する健康を享受する権利である。具体的には、すべてのカップルと個人が、自分たちの子どもの数、出産間隔、出産する時期を自由にかつ責任をもって決定でき、そのための情報と手段を得ることができるという権利。また、差別、強制、暴力を受けることなく、生殖に関する決定を行える権利も含まれる。さらに、女性が安全に妊娠・出産を享受でき、またカップルが健康な子どもを持てる最善の機会を得られるよう適切なヘルスケア・サービスを利用できる権利が含まれる。

-------------日本国際保健医療学会/国際保健用語集より

 

Box1-1 リプロダクティブヘルスと家族計画・母子保健の違い

リプロダクティブヘルスは、従来の家族計画・母子保健とは次の点で大きな違いがある。

 

①リプロダクティブヘルスは、15~49歳の生殖可能な年齢層の女性の健康だけではなく、生涯にわたる幅広い健康を指す。また、女性は単に子どもを産む期間だけ健康に留意していればよいというのではなく、人間として、生活周期の視点で健康管理をする重要性を指摘するものである。

 

②リプロダクティブヘルスは、従来縦割りの行政構造の中で孤立して対処されていた家族計画・母子保健と性感染症・HIV/エイズを含む他の生殖に関する健康問題とを連携させた包括的なアプローチを目指すものである。

 

③従来の家族計画プログラムでは、男性のニーズ・役割・責任および若者の特別なニーズについて適切に対処しているとは言い難い。しかし、リプロダクティブヘルスの活動ではこれらの問題に対して十分な配慮をすることが要求されている。また、他のリプロダクティブヘルスの分野においても(例えば、性感染症やHIV/エイズなど)男性の役割と責任について言及している。

 

④リプロダクティブヘルスは家族計画に関する個人とカップルの権利、特に家族計画の方法を選ぶ権利を訴えている。現在は、個人とカップルに家族計画の手法を選ぶ機会がまったく与えられていないか、与えられていても不十分もしくは不適切な場合が多い。リプロダクティブヘルスは、個人とカップルが家族計画を利用する権利と個人にとって適切と思われる家族計画の方法を選ぶ権利を訴え、さらにはその権利を享受できるようなヘルスケアと情報の充実を保証することもうたっている。

 

⑤リプロダクティブヘルスは、女性に対する暴力が大きな健康問題となると指摘している。特に、強姦、性的虐待、人身売買および強制売春、女性の性器切除を含めた有害な伝統的慣行は、多くの場合「性と生殖」の枠内で発生する女性への暴力である。また、女性の身体的のみならず精神的健康に悪影響を及ぼす暴力に対処することもリプロダクティブヘルスの重要な課題といえる。

 

出所:佐藤都喜子(2002)(一部変更)JICA リプロダクティブヘルス資料より転載

 

JICA リプロダクティブヘルス

http://jica-ri.jica.go.jp/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/field/pdf/200408_02_01.pdf

 

内閣府男女共同参画局 男女共同参画基本計画 8 生涯を通じた女性の健康支援

http://www.gender.go.jp/about_danjo/basic_plans/1st/2-8h.html

 

不妊の原因、半分は男性            男性不妊の原因     男性不妊専門医男性不妊専門医はまだ少ない 

                       ・乏精子症
                       ・無精子症
                       ・精子無力症

                       ・性機能障害                    

 

男性不妊症の診療を依頼できる泌尿器科医一覧と実施項目(一般社団法人日本生殖医学会)

男性不妊症の診療に関するアンケート調査結果(2012年4月9日掲載)

※過去のイベント

 

■家族の性と生を考えるプロジェクト キックオフイベント

「知ろう、語ろう、男と女のこと 家族のこと」

 

卵子の老化、高齢出産、不妊、女性手帳

                 ・・・女性だけの問題?

男性も子どもを作るコトに興味ありませんか?

家族の性と生について、幸せのカタチ、

              一緒に考えて行きませんか

 

【日時】 2013年7月13日(土) 14:00~16:30

【会場】 文京区 区民センター2A会議室

      文京区本郷4-15-14

【参加費・資料代】 1人1,000円、カップル1,500円

 

【申し込み】

こちらのフォームよりお申し込み下さい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【プログラム】

第1部:Reproductive

男女の生について知ろう 

『卵子老化』『男性不妊』の真実

 

第2部:Sexual

男女の性について分かり合おう

夫婦の心と体の関係を考えるパネルディスカッション

 

【登壇者】

石川智基 石川病院泌尿器科部長 『男性不妊症』著者

河合蘭 出産ジャーナリスト 『卵子老化の真実』著者

村上誠 NPO法人ファザーリングジャパン理事 FJ家族の性と生を考えるプロジェクト リーダー

林田香織 ロジカル・ペアレンティングLLP代表  NPO法人いちかわ子育てネットワーク副代表理事

山口いわお 看護師・JASH 日本性の健康協会会長