サントリーホールディングス様「ちちおやガイダンス」研修レポート

 

 

「1.89」。この数字は、何を表しているかご存知ですか? 答は「男性の育児休業取得率」(2012年度)。女性の育休取得率83.9%に比べるとあまりに低い数値で、育児が父親より母親に負担が大きいことが端緒に示されています。とはいえ、男性が育児に関心がないわけではありません。

 

父親が育休を取れないのは、それなりの理由があります。その一つに挙げられるのが「職場の雰囲気」。職場に男性の育休を受け入れるムードがないと回答する男性が76%(ライフネット生命「育児休業に関する意識調査」)というデータもあります。「子どもが生まれたら父親も育休を取るべきだよ」と後押しする職場風土があれば、もっと父親の育休取得は増えるはず。

 

ここでご紹介するサントリーホールディングスは、父親の育休取得を促す職場風土のある先進企業です。サントリーでは父親になった社員が連続5日間の育休を有給として取得できる制度があり、この制度を多くの男性社員に利用してもらえるよう様々な働きかけをしています。そして今回、武蔵野ビール工場の一歳半以下のお子様を持つ男性社員とこれから子供が生まれる男性社員を対象に、ちちおやとなるこの機会に働き方を見直し、より仕事の質を高めて効率を上げ、今後のさらなる活躍のきっかけとしてもらうための社内研修『ちちおやガイダンス』が行われました。

 

参加したのは、16名の男性社員。事前アンケートで直近一週間の時間の使い方を尋ねると、それぞれ育児と家事に励んでいる姿が伝わりました。研修は、冒頭に担当の吉田さんから会社の制度や育休取得の状況について説明がなされた後、講師のファザーリング・ジャパン(FJ)理事・東によるレクチャーがありました。

 

男性が育児をしなければいけない背景や育休取得のメリット等についてデータや事例をもとに解説があり、皆さん熱心にうなずいていました。

 

FJ会員・蓑田さんによる先輩パパ体験談も説得力がありました。

 

研修は参加型で楽しい雰囲気で進みます。「普段の育児・家事ぶり」や「男性が育休をとれない(とらない)理由(本音)」をテーマにしたグループの話し合いでは、笑い声があちこちで起こり、パパトークが盛り上がりました。子育てや夫婦関係の悩みなど話せる「パパ友」がいると、父親の育児は楽しくなります。

 

今回、育休を取れない理由として「休み中の代替要員がいない(同僚に迷惑をかける)」を挙げる方が多数でした。職場の要員体制を変えるには、パパだけが頑張ってもなかなか難しいもの。そこで頼りになるのは、会社や上司のサポートです。職場全体としてフォローする仕組みや柔軟な働き方ができる制度の普及、育児中の部下を支援できる上司が増えることで、男性も育児に取り組みやすい職場になるでしょう。

 

そこで講師から、在宅勤務でも育休が取れる動きがあることや、FJが始めた「イクボス・プロジェクト」の紹介があり、「パパの極意はママのケアにある」と強調されてレクチャーは終了。社員の皆さんは子育てを取り巻く状況について学び、自分の子育てを振り返ることのできた場となりました。

最後に今日から明日からやることを「パパ宣言」として、それぞれ発表。明日以降の仕事そして育児にもモチベーション高く取り組みたいというパパ宣言が多く見られました。

 

アンケートでは参加者から次のような感想がありました。『慣れない家事や育児で妻に口出しされるとつい笑顔でいることを忘れてしまいがちでしたが、子供の前では常に笑顔でいようと思いました。』『育児をやりながらも仕事をきちんとやることで、ちゃんと会社は評価してくれる、という事例紹介はメンバーのモチベーションや目標になる。』

 

そして、研修を終えた後は懇親会。皆でそろってビールで乾杯!(ビールの会社で飲むビールは美味い!)。アルコール飲料はパパ友づくりの必須アイテムですね。