予防のためにパパができること

パパはもちろん周囲のサポートが大切

 

産後うつになった場合、体がだるかったり、家事がはかどらなかったり……。そんな様子に、パパが「昼間、子どもとのんびり過ごしてるのに、何で疲れてるの?」と言ったり、実母が「昔は家事も育児も、もっと大変だったわよ」などの言葉を浴びせられてしまうことも。周囲の不理解と、何気ない言葉がプレッシャーとなって、さらにママを追いつめてしまうこともあります。

 

まずは、パパがママの一番の味方になること。ママの症状や気持ちを、聞き、受け止めてあげましょう。信頼できる相手(パパ)がきちんとママの話を聞いてあげることが、産後うつ改善の第一ステップにもなります。早めに医師に診てもらうことを促したり、できれば一緒に病院に言って医師に話を聞いたり、育児や家事は、可能なら一緒に行いましょう。

 

ただし、パパ一人で、何でも請け負わないこと。パパが家事も育児も仕事も引き受けては、今度はパパがバーンアウトしてしまい、うつになってしまう可能性もあります。産後うつは、急激に回復するものではありません。上手に気分転換しながら、ママの産後うつの回復につき合っていきましょう。


産後うつママへのNGワード、GOODワード

産後うつで苦しむママの場合は特に、言葉がけによって、さらにママが心を閉ざしてしまったり、症状が悪化させる場合もあります。NGワードやGOODワードは、ママの性格や症状によっても異なります。日頃のこまやかなコミュニケーションが一番大切です。 

 

【NGワード】

以下の言葉がけと共に、「今は彼女をそっとしておこう(と距離をおく)」態度もNGです。

相手にされない、自分の存在自体が迷惑になっていると思うことは、さらにママの心を追いつめます。

 

「がんばれ」

「もっとがんばらなくては」と、心が追いつめられます。ママは十分がんばっています。 

 

「母親なんだから」

母親だから何でもできるわけではありません。ママだって、赤ちゃんのお世話は、少しずつ経験して上手になっていくものです。

 

「赤ちゃんがかわいいのは当たり前」

ママの心に余裕がないと、赤ちゃんをかわいいと思えなかったり、赤ちゃんのお世話をする気力がわかなくなります。

 

「家にばっかりこもってないで、友だちと会ってきたら?」

ママが友人と会いたいならOKですが、ママが人と会うのもおっくうになっている場合は、配慮の言葉も、負担になります。

 

「何もしなくていいよ」

パパとしては「大変そうだから」という配慮の言葉ではありますが、ママ自身が、自分の必要性を否定されている「自分はいなくてもいいんだ」という気持ちになることがあります。相談しながら、少しずつ一緒にやる、任せられることはそのままやってもらうのが基本です。

 

【GOODワード】

 

「何をして欲しい?」

ママがして欲しいことを、まず聞いてみましょう。ママが「して欲しい」と言ったことは、「じゃあお義母さんに頼んだら?」などと人に任せず、できるだけ一緒にやったり、一緒に考えましょう。

 

「今日のおかずは、○○が食べたいな」

ささいなことを、自分で決めるのが難しいこともあります。判断をママにゆだねず、聞かれたら、はっきり答えましょう。

 

「今日は○○しよう!」

ママと約束したことは守ること。ママの想いとのギャップが大きくなると、心が不安定になります。

 

「ありがとう」

ママへの感謝は口に出しましょう。ママの自己肯定感が高まります。

 

育児情報誌「miku」2010年12月発行(冬号)

 

「ひとりで悩まないで!自分を責めないで!~私って「産後うつ」?」記事より一部加筆